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パーツの防振は音に効く

更新日:2023年12月29日



 このところ平行して3作が、割り込まれて製作途上で止まっている or 作るための実験中(こちらor 実験の途中で他の実験に割り込まれて後回し、状態です。ひとつずつ集中して取り組めば完成も早いのでしょうが、気になることがあると、それを片付けてからでないと先へ進めない性分です。往々にしてこういう状態に陥ります。

 そのうちに、あとから始めたほうが面白くなったり、音がよくなることがわかったりして、未完成のまま残骸と果てた基板やアセンブリやケースやトランスが、ソファの下や押し入れにゴロゴロと転がっています。残骸のパーツのお値段を算えて、「これで他のものを買っていれば」と思うこともあります。でも、他のものも、やっぱり一定の割合で残骸になるでしょう。結局は同じことです(笑)


 さて、いつになったら完成するのかわからないので、製作途上のお話しでブログをつなぎます。タイトル写真の基板は、SKHP-03X と銘打っていますが、SKHP-03E2 ヘッドホンアンプ基板とまったく同じ回路です。

 違うところは、E2 基板の 2.0 t の厚みに対して X 基板は 1.6 t と薄い。コストダウンを図っています。というのはウソです。X 基板は 20 mm の真鍮ベースを接着します。真鍮ベースを接着するのであれば、1.6 t でも 2.0 t でも違いは聞こえません。エポキシ基板単体での 1.6 t と 2.0 t の音の差を 1 とすると、真鍮ベースを接着した“真鍮基板”との差は 100 くらいはあります。ざわざわとしたモヤモヤ感がスッとなくなり、音のディテールを感じられるようになります。


 そんな、大げさな! 


と思われる方は、ぜひ聞いてやってください。こちらのヘッドホン・ドライバと、



同じパーツ、同じトランス、同じシャーシとケースを使って、基板だけを違えて音の違いを聞こうとのコンセプトで作りました(ERO のキャパシタがちょっと小さいですけど)。



 基板が相当に音に影響しているとは、私も大春さんのセラミック固め基板を聞かせてもらうまで、思ったことはありませんでした。それでも、聞いてしまうとその違いは忘れられない。音の解像度が違います。CCD の画素数が多くなると分解能が高まるように、ハッキリとしなかった音が、聞こえるようになります。

 基板が影響するというよりも、パーツの防振が効いていると考えます。セラミックの基板も50 mm の御影石に載せるとさらによくなるとのこと。私はそこまで試せていませんが、並の基板をアルミのシャーシに載せるか真鍮のシャーシに載せるかで音は変わります。セラミックに手は出せませんので、真鍮板でなんとか真似たアンプが“真鍮ワールド”です。かつての体験も記事に記しました。


 ですけど、真鍮基板を作るのは、コストだけでなく、やたらと手間を要します。ですので、ついつい、サボってしまいます。

 基板は、固定ピンが入るように穴を大きくしています。いたってふつうのガラスエポキシ。Made in China です。Koria 製と比べたことはありますが、差は聞こえませんでした。Japan 製は、高くて手が出せない。

 基板にピンを植えて、そこにパーツを固定します。この時点ではふつうに作った基板と差は聞こえません。ここで、基板の銅箔ではなく裏打ちした線に信号をとおしたほうが、若干ですが音はよくなります。これだけの手間をかけるのですから、裏打ちの手間も省きません。



 真鍮ベースは、外注すると1個なら2万円以上かかりました。いまは、加工機を手に入れたので自作です。が、加工機のパワーのなさを加工時間で補っている状況です。1個削るのに、段取りを含めると3時間以上かかっています。


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