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EVR-323ASC を出荷しました



 型番だけをホームページの片隅に載せていたのですが、それを見つけた方からご用命をいただきました。誠にありがとうございます。ご紹介するのは製作記を公表したときに、と考えていたのですが、そのアンプの“前作”が難航していて、いつになるやら状態です。


 拙宅では、段ボールシャーシ(こちらのブログの写真にも EVR-323ASC は写っています)に入れて試聴に用いています。SiC ダイオードも、この段ボール箱で比較しました(写真の左上に写っている2枚の基板です)。



 EVR-323 の開発では、高さ 50 mm のケースに収められるようにと、全高 41 mm 以下、基板幅 45 mm 以下を条件としました。パーツを並べて考えていたのですが、この条件では、MUSES 72323 の左右のカプリングと基準電圧用のキャパシタには、ケミコンしか載りそうにありません。とっかえひっかえ試したのですが、なかなか良いケミコンに巡り会えません。ケミコン以外にも薄膜高分子積層キャパシタを試しましたが、サンプルはペラペラした残念な音でした。サイズ的には積層セラミックも入ります。ですけど“音響用”と称するモノも含め、ガリッとしたヒステリシス感があって悲惨な音です。最終的に15種類のケミコンを試して、嫌な音のしないニチコン RNS を見つけました。



 ところで、出来上がったアッテネータ基板を見ていると、カプリングに ASC を載せたくなってきます。寸法的に 10μF は無理ですが 5μF なら入りそうです。MUSES 72323 の入力インピーダンスは 20 kΩですから、カットオフ周波数 fc = 1 / 2πCR = 1.59 Hz。経験的にここは 1 Hz 以下にしたいところです。けど、まあ、2倍未満の差です。もちろん、試聴して確かめます。考えただけでは音がどうなるかわかりません。100μF の OS-CON SP と比べましたが、低域が痩せることはありません。ならば、載せたい。

 さて、どう載せるか。MUSES 72323 を載せた基板にはスペースがありません。それなら、カプリングキャパシタだけ別ボードにしたらどうか。2枚のボードは Preci-dip のロングコネクタでうまい具合に重ねられます。いうまでもなく、ピンの音も確かめています。悪くない。むしろプリント基板の銅箔に通すよりもクッキリとした感じです。カプリングキャパシタの間に、4ピンのコネクタを配置できるようにしました。



 カプリングを ASC にできるとなると、残されたケミコンは基準電圧用です。ここはデータシートに 10 μF が記されています。このキャパシタがどういう働きをしているのかは知らないのですが、わざわざ外付けされているのですから音に関係するでしょう。試しに銘柄を変えると、カプリングキャパシタを交換したときと同じ傾向の変化が聞こえます。それなら、ASC を使いたい。

 とは考えましたが、5 μF をもう一段重ねられる接続ピンがない。う~ん。どうしよう。


 そんなときに、ふと、気づきました。本当にこれだけの容量が必要か?

 疑問が湧けば、聞くしかありません。容量不足との疑念を振り払い、心を無にして(おおげさな)、音だけに集中しました。低域の量感が劣ることはありません。それよりも、低域も含めて、よりハッキリと楽器の音色を感じさせてくれます。

 アッテネータ基板の、マイコン IC の載ったコントロール基板を接続する面に、X363 を載せました。真ん中のものです。ちなみに、両サイドはプラスとマイナスのパスコン。



 コントロール基板を載せると、こうなります。



 EVR-323ASC-03-AC は MUSES 03 バッファとアドバンスト・レギュレータを組み合わせた電子アッテネータです。ASCが恐ろしくいっぱい載っています。恐ろしいを通り越して、狂気ですねえ(笑)



 受注生産いたします。こちらのページでご紹介しています。製作記は・・・。がんばります。


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