EVR-323OS-03-R0 出荷開始!
- Toshiyuki Beppu
- 2021年10月25日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月20日

EVR-323 / 320 は、デジタル回路の載ったコントロールボード、MUSES 電子ボリュームICの載ったアッテネータボード、MUSES オペアンプの載ったバッファボード、レギュレータボードを組み合わせるシステムです。アッテネータボードは、EVR-3 からの定評ある MUSES 72320、さらに解像度をアップした MUSES 72323 から選択できます。バッファボードは最高級版 MUSES 03 ツイン、高級版 MUSES 01 または MUSES 02、入門版 MUSES 8820、そしてバッファレス 00 から選べます。そしてレギュレータボードはアドバンスト AC、レギュラー NC、にレギュレータレス R0 を加えた3種類を用意しました。
レギュレータは悩ましいところです。MUSES 電子ボリューム IC は、リプルに弱いためレギュレータは必須です。かといって、スイッチング・レギュレータや三端子レギュレータを入れられると、せっかくの音が台無しになってしまいます。スイッチング・レギュレータは試した限り、よく言えばにぎやかな、わるく言えばうるさい感じのトーンです。奥行きのない平面的な音場感になります。また、三端子レギュレータは優美さを失ったモノトーンな音色に感じます。定位感が悪く音場感が広がらないのは、スイッチング・レギュレータと同じです。まあ、どちらも私に言わせれば、スカスカの音です。
「アンプの音の半分は電源が決める」と言われますが、過言ではありません。アンプでいくら頑張ろうとも、電源が悪ければ、音は改善されません。ですから、レギュレータを内蔵する。これは前作 EVR-3 のときからの基本方針でした。
EVR-323 のレギュレータには、試した限りでもっとも色づけの少なかったシリーズ・レギュレータ回路、431シャント・レギュレータを基準電圧とした一石のエミッタ・フォロワで電圧をコントロールする方式、を採用しました。ですが、この回路でも、電圧制御トランジスタの音がまとわりつきます。特徴的な音を付け加えないペアを選びましたが、それでも、素子に特有の色づけがあります。素子の音が付け加わればそれだけ、透明感を損ないます。
シャント・レギュレータとすれば、この色づけを少なくできることはわかっていました。しかし、電源電圧範囲を制約されるために取り扱いがやっかいなのと、放熱の問題があり、EVR-323 / 320 での採用はあきらめていました。
ところが、ひょんなことから SKVL-5 ができました。これで、シャント・レギュレータで EVR をドライブできます。シャント・レギュレータを使えば、EVR の透明感をさらに高められます。

ヘッドホン・ドライバではシャント・レギュレータを用いたうえに、バッファレス構成としました。ヘッドホン・アンプ基板の入力インピーダンスで MUSES 電子ボリュームの出力を受けています。ヘッドホンを鳴らすためならアンプの段数を最小として、MUSES 03 をパラレルにして電流を増強する SKHP-03E2 がベストな構成でしょう。
ヘッドホン・ドライバ用には EVR-323OS-00-R0 を用意しました。
電子アッテネータとして使うのなら、パラレルにするよりもシングルの 03 バッファボードのほうがクッキリとした音を聞かせてくれます。配線を交換して伸びやかな音になったセレクタEVR にもシャント・レギュレータを加えました。
このシャント・レギュレータを使うための EVR が、EVR-323OS-03-R0 です。シャント・レギュレータのクッキリとした音像感と広い音場感を楽しめる EVR です。

このブログは、記念すべき50回目です!最後まで読んでいただき、ありがとうございます。