MUSES 05 と MUSES 72323 を使った EVRヘッドホン・ドライバの製作途上です。前作まで使っていたタカチのUCケースがディスコンとなって、タカチのHYケースで製作を進めています。ところが、勝手が違って、いろいろと決めなければならない。なかなか進まない。
UCケースのパネルは、アルミの1.7t でした。穴開けは楽でしたが、ヘッドホンのプラグを差し込むと“薄っぺらい”感触が手に伝わります。安っぽい。それもあって、パネルの裏側に真鍮 3t 板を接着していました。
これが侮るなかれ、音に効きます。
プラグとジャック、あるいは、コネクタのピンとソケット、はたまた、ICを差し込むソケット、は銘柄によって音が変わります。よろしくない品を使うと、音痩せするというか、うるおいを失ったカサカサ音になります。あるいは、粗悪な金メッキは、ダークメタリックなキンキンした鳴りをつけ加えます。安っぽい。
接点は、あたりまえですが、金属が接触しているから電気信号を伝えるのです。そこでは、接触箇所を押し付ける力(接触圧)によって音は変わります。弱すぎると接触不良となって、音が途切れたりノイズが入ったりします。
ガッシリと押し付けていないと、接触状態が変わるのでしょう。見た目でシッカリとした構造のものが、だいたいよろしい。音像感が向上するというか、ブレが少なくクッキリと感じます。接点が、安定して押し付けられるのでしょう。
さらには、ジャックそのものをガッチリと支えると、これまた、よりハッキリとした音像を感じさせてくれます。接触状態が、より安定するのでしょう。
真鍮のサブパネルを作る前に、同じ 3t の、アルミ板と真鍮板にRCAジャックを取り付けて比較しましたが、比重8.5と2.7の差を感じさせてくれます。HYケースのパネルは 3t ですが、この比較を思い出すと、サブパネルを貼りたくなります。
問題は、合わせたときの厚さです。どのみちサブパネルを削らないと電源スイッチや3.5 mm のミニジャックが取り付かないのですが、それでも探してみると、さすがはスイッチクラフト。1/4インチのジャックには厚パネル用があります!
もちろん、買ってみました。
ところが、なんとなく違う・・・。
標準の12B(←)と比べ、厚パネル用のL12B(→)は、絶縁のベーク板が、約半分の厚み。う~ん。悪い予感がします。なぜ、ここを違える必要があるのか?
悪い予感を振り払うためには、聞くしかありません。
条件を揃えて比較しました。その結果ですが、12Bと比べてL12Bは、音痩せするというか、硬めの響きが聞こえます。大きな差ではないのですが、それでも、比べるとわかってしまう。1/4インチと 3.5 mm のジャックを比べると、音像感がぼやけるような,クッキリさが減るのですが、それとは違い、トーンバランスが変わるような感じです。
とは言っても、わずかな差です。言ってる本人が「針小棒大」だと思っています。でも、このわずかの差を積み重ねるから,音が変わるのだと知っています。う~ん。どうするか。
こうやって、余計なことを考えてるから作業が進まない・・・。
結局、真鍮のサブパネルを削りました。サブパネルを削るなら、12Bが使えます。
部品を借り止めして、問題のないことを確かめて、エポキシの接着剤で貼り付けです。写真は位置合わせのためにヘッドホンジャックと電源スイッチを入れた状態ですが、接着剤が固まる前に取り外します。くっついてしまうと、メチャメチャやっかい。
パーツを組み合わせたところがこちら。タイトル写真に示しましたが、ツマミに合わせて溝を掘って、ピタリと合わせました。ロータリエンコーダとこのツマミの組み合わせでは、パネルの厚みは 3t でも足りない。エンコーダの取付ナットがツマミと干渉して、ツマミが浮きます。と言っても、たったの 1 mm ですけど。
さて、次は、メインシャーシ・・・。おっと、その前にパネルのレタリングも作らなきゃ。次回に続きます。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございます。今回で、ブログは100編を超えました。これからも、読んでやってください。
よろしくお願いします。