なかなか進まないバッテリー駆動アンプの進行状況です。やっとこさ、フロントパネルの加工に進みました。
タカチ UC は、たいへん組み立てがしやすいケースです。まず、パネルが薄い。1.7 mm のペラペラアルミパネルです。ですから、穴開けが楽。それに、パネルは上下のカバーに指しこんでいるだけです。さっと外して配線ができます。終われば、差し込めば取り付け完了。それから、角張ったところがない。床に置いたケースにぶつかってもケガをしません。
ところが、欠点も多々あります。まず、パネルが薄い。ですから、スイッチを押したときにペラッとして感触が悪い。それに、パネルは上下のカバーに指しこんでいるだけなのでガタつく(笑)。それから、せっかくの丸みを帯びたケースなのに、付属のゴム脚がみっともない。
さて、欠点は修正すればよいのです。薄いパネルに 3t 真鍮のサブパネルを貼り付ければ 4.7 t です。これなら、5t のアルミパネルよりも重くてよい。それに、RCAジャックを取り付けたときのクッキリ感がアルミよりもあります。真鍮シャーシもですが、一度使うと止められない。
ただし、使うには厄介な接着工程が入ってきます。以下、そのノウハウです。
いろいろと試みましたが、接着剤は硬化時間の長いエポキシ樹脂が使いやすいです。固まるまでに待ちますが、作業時間が長くないと、位置決めがうまくいかない。このところ使っているのは、90分硬化開始のボンドEセットです。暑い時期でも1時間ちかく作業可能です。
2液をよく混ぜて、真鍮サブパネルに、パネル周囲と穴の回りの1.5センチくらいを残して、できるだけ薄く塗ります。薄く薄く伸ばすのがポイントです。パネルを載せて、穴の位置決めのためにスイッチなどのパーツを仮組みしてから、クランプで挟みます。
挟むときには、ティッシュを八つか十六つ折りして、パネルの表面側に挟み込みます。クランプのパッド部は柔らかめの樹脂となっていますが、それでも、パネルを傷つける可能性があります。
クランプしたら、パーツは取り外します。クランプでガッチリと挟むと接着剤が広がり、ときとしてパーツも接着されてしまいます。そうです、何度か外せなくなりました。パネルとサブパネルの間に滲出した接着剤は、綿棒で拭き取ります。クランプしてから2,30分は、じわじわと押し出されてきますので、くり返し拭き取ります。
クランプは開口 150 mmサイズを使っています。IRWINのQUICK-GRIP(写真上)が軽くて使いよい。プリント基板をハンダ付けするときにも、これで固定すると作業が捗ります。最近購入したのがSK-11のクイックバークランプ(写真下)です。クランプ部の面積が広く、グリップ力も強いので、パネルの接着には、こちらの方がオススメです。でも、プリント基板用にはちょっと重いかな。
写真左は、IRWINのハンディクランプ開口 50 mmサイズ、中央が開口 38 mmサイズ、右がSK-11の開口 55 mmサイズです。50 mmサイズではIRWINのほうがなんとなく使いやすい感じです。出番が多い。38 mmサイズはグリップ力が弱く、パネル接着には向きませんが、このサイズしか入らないときには重宝します。
RCAプラグに配線するときなど、ハンディクランプなしでは、やってられません。
接着したら、一晩はそのままにします。焦って動かすと、せっかく固定したパネルがズレるかもしれません。とくに冬場はゆっくりと作業します。まず、接着剤と被接着物をパネルヒータの上で暖めます。冷たいと樹脂の粘度も高くなり、硬化にも時間を要します。クランプで挟んでからもヒータに載せて硬化を待ちます。
仮組みしたところがこちら。ピタリと収まっています。角穴には、電圧計を入れる計画です。