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バッテリーは、まとめて充電しないと面倒だ

更新日:2022年9月12日



 MUSES 03は、絶対最大定格電圧 ±19 V です。6 V バッテリーを6個直列にすれば、±18 V の電源になる!と考えました。でも、6個直列にしたまま充電したい。何十年も前の別々に充電したときのトラウマ、ではなかった、貴重な経験ですね。


 とにかく、音楽を聞くのを妨げる要因を取り除きたい。すべての発想がここにあります。ですから、嫌な音がするのはダメ。それから、扱いが面倒なのもダメです。


 鉛バッテリーの音は、過去によかった経験があります。この密閉型バッテリーも試聴するとよい感じです。とはいえ、バッテリーは充電が必要になります。だけど、6個を直列に充電したのでは、必ずバッテリー電圧 V1~V6 にバラツキが生じます。同じロットの6個にして、常に同じ条件で充放電させていればよいのかもしれませんが(6 V のバッテリーは内部で 2 V のセルが 3 直列になっていて、この 3 個のセルは同じ条件で充放電しているのですから)、いささか心配です。古くなってどれかのバッテリーの充電容量が少なくなると、そこだけ過充電-過放電を繰り返すことになり、急速に劣化が進みます。


 自動車のバッテリー(12 V)は内部で6セルが直列にされています。このうちの1セルが壊れた経験があります。自動車ですと、この状態ではエンジンがかからなくなって判るのですが、3セル×6 = 36 セル直列で1個が壊れたとしても、判らない可能性が大です。その状態で充電を続けても電圧が上がりませんから、他のセルを過充電にして全滅するかもしれません。それは避けたい。ですから、V1~V6 を管理したいです。


 そのためのひとつの手は、個別に充電回路を用意する方法です。ただし、それぞれの充電回路はフローティングにしなければなりません。6個のスイッチングレギュレータを並べてもよいのですが、そこそこの部品代を要します。


 そこで充電は、6直列をまとめてしながら、それぞれのバッテリーに電圧リミッタを並列にする手を考えました。フル充電に達したバッテリーは、電圧リミッタが電流をシャントして過充電を防ぎます。


 その電圧リミッタの基板がこちら。それぞれのバッテリーの上に載せます。



 メインのコントローラを別に置き、それぞれの電圧リミッタの状態を監視します。すべてが設定電圧に達したら充電完了、あるいは、いくつかが下限を下回ったらアンプ OFF を命じます。

 電圧リミッタ基板を6枚作りました。放電テストは、実負荷、つまりアンプ基板を使ってスピーカを鳴らしながら行っています。いつもの段ボールに載せたバラックですが、期待できる音です

 まだバッテリーを左右に分けていませんし、基板毎にも分けていません。その上、基板には真鍮ベースを取り付けてもいない。もっともっと良くなるはずです。もちろん、嫌な音はありません。楽しく聞いていられます、じゃなかった、放電テストを進めています。



 充放電回路をこの方式にするまでに構成の変更(最初のアイデアはみごとに失敗した)、基板の作り直し(じつは、今回の写真を撮ったあとも作り直している)、と紆余曲折があったのですが、そんなことは忘れました。音が出ると、それもいい音だと、一気にやる気が高まりますね。まだまだ完成までには確認することが残されています...。


つづく







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