配線材を(十数年ぶりに)選んだ
- Toshiyuki Beppu
- 2021年9月18日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年1月17日

ことの発端は、ヘッドホン・ドライバでした。このドライバ、完成までにハムノイズとの熾烈な戦いがありました。最終的に電子アッテネータからアンプ基板までの 5 cmほどのワイヤーをツイスト線に変えて、ノイズを抑え込みました。
そのツイスト線が残っていたので、自分で撚らなくて楽でよいとセレクタEVRに使いました。
ところが、なんだか音が固い…。
これは、きちんと聞く必要があるなあ。いま使っているUL3265も、それまで使っていたOFC単線が入手できなくなり、それと比較してボケッとした霞んだ音だったのですが、ヘンな音がしないので使い始めました。まったくもって、妥協です。ところが使ってみると、耐熱性があって配線しやすい。使いやすさでもって、止められない。それまでのOFC線は、ちょっとコテをあてただけで、もちろん芯線にですよ、被覆が溶けました。
でも、作るのは一瞬。使うのは20年以上かもしれません。長い間比べていなくて後悔したのが、電源トランスでした。前世紀に春日無線のカットコアがディスコンになって、その後使っていたノグチトランスも廃業。それで慌てて比較したら、よいモノが見つかりました。その顛末はこちら(Parallel World 5+)に記しました。
やはり、配線材も比較しなければなりません。電源トランスよりは安いですし!
過去の比較経験では、
柔らかな単線(一本の芯線)がよかった。やわらかさがポイントで、固いと、はじいたときの音が、はじかなくても再生音にもつきまとう。ヘンなピーク感となる。銅の純度よりも、よくアニールされているかどうかが重要。ラッピングワイヤーのような固い線は最悪
より線は概してボケッとした音がする。が、固い単線よりはずっと良好。メッキの有無は音には関係ない。それよりは被覆の材質が影響する。厚い塩ビ系は鈍い感じになってよくない
シールド線は、例外なく特徴的な音がつきまとう。ピーク感があって、嫌な響きになる。シールドのない単線やより線がベター
でした。
初心者の頃は(製作記に書かれていたとおりに)機器内配線にはシールド線を使っていましたが、比較してからは止めました。その後、プリとパワーアンプなどの機器間も使わないほうがよいだろうと考えましたが、ノイズの混入が心配でした。ところが、試すと問題はありません。いまでは、ピンケーブルにもシールド線は用いなくなりました。
単線がよいとは考えているのですが、オヤイデで見繕った4種類は、すべてより線です。比較のためUL3265と、よくなかったOFCツイスト線でも作りました。以上の6種を差し替え試聴します。
ちなみにRCAプラグは、スイッチクラフト3502Aです。同じプラグで比較しなければ、判断を誤る可能性が大きくなります。
それにしても、3502Aはシルバー一色しかありません。せめて、赤黒のリングでもあれば使いよいのですが。ついでに余談ですが、3502には金メッキタイプもあります。それよりはニッケルメッキのほうが、透明感ある音を聞かせてくれます。なぜそう断言できるのか。過去に比較試聴しました。
結果です。最低だったのがOFCツイスト線。セレクタEVRのときには“固い”との印象でしたが、他の線と比較するとわかりやすい。特徴がつかめました。かなりのピーク感があります。これで中域から高域がキツく感じられていました。
ベストの線は、塩ビ被覆(他の4種は架橋ポリエチレン)でした。いかにもより線らしい、よくいえば「響きの柔らかな」、悪くいえば「ボケッとした」音です。なのですが、全帯域のトーンバランスがよい。古くから売られている線ですが、これまで被覆が塩ビなので試していませんでした。先入観で人を、じゃなかった、線を判断しては失敗しますね。反省です。
BELDEN 8503 で、セレクタEVRの配線をやり直しました。配線は、下手ですねえ…。塩ビはやりにくい(;゚ロ゚)

音は、グッと音の形がはっきりとして、さらに伸びやかになりました…。
ところが、これで決まりには、なりませんでした。後日談はこちら。