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ユニウェーブスピーカ

1990年代には、高橋和正さんの教えを受けながら,スピーカシステムに取り組んでいました。当初は『リニアフェイズ』とよばれていたシステムでしたが、目指していたところは、「位相」の平坦化ではありませんでした。信号に含まれる波の数をそのままに再生したい、これが『ユニウェーブ』の目標であり、その取り組みによって、音場感、定位感を飛躍的に向上させることができました。

一周期だけのサイン波を用いる単発サイン波応答は、音源の位置合わせだけでなく、聴感的フラットネス、ネットワークひずみやホーン内での反射を「見える化」しました。ところが、高橋さんは「見る」ことなく、聴感だけで音源位置を合わていました。単発サイン波は、「聞こえていた」問題点を見せてくれたに過ぎませんが、見えるようになり、スピーカ・システムへの理解を深めることができました。

ユニウェーブ・スピーカの重要なノウハウは、

   音の波面(音源位置)を合わせること

   ネットワークひずみを発生させないこと

   振動系リアクションをなくすこと

   共振を使わないこと

   最小バフル面積と吸音処理

です。

ところが残念なことに、いずれも、ふつうのメーカー製スピーカでは無視されてます。簡単なことですが、コスト・パフォーマンスとは相容れないからです。でも、見方を変えれば、いまでもスピーカ・システムにはこれらの弱点があるのです。

 

ですから『ユニウェーブ』は、スピーカの音質改善に活かせる理論なのです。

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まえがき(高橋和正)

第1部 ホーンからユニウェーブへ(高橋)

ホーンからユニウェーブへ-30年の歴史を捨てるだけの魅力

ユニウェーブ・システムとは-ユニットは単なる素材でしかない

低域拡大と位相特性改善の実験ーデッドマスと 6dB/oct ネットワーク

4ウェイ SP システムをリニア・フェイズ化する-聴感を納得させる単発サイン波応答

​自作4ウェイシステム,そのコンセプトとノウハウ全公開ー新しい総合理論「ユニウェーブ」を提案!

第1部
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​ホーンからユニウェーブへ

1997.2​ ユニウェーブ・スピーカ

私のスピーカ・システムは、中低音、中高音をホーンとした,いわゆるホーン・システムを、管球式OTLアンプでドライブするマルチチャネル・システムの時代が長く続いた。

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4ウェイ SP システムをリニア・フェイズ化する

1990.11

ユニットの位置についてあまり問題が起こらない構成は、コーン型、またはドーム型等の直接放射形のユニットの組み合わせである。問題は、ユニットの音源位置をどう合わせるか…

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ユニウェーブ・システムとは

1997.2​ ユニウェーブ・スピーカ

スピーカ・システムというと、使われているユニットの形態か形状、あるいは「バスレフ」「密閉箱」「バックロード・ホーン」等のエンクロージャ形式かで…

自作4ウェイシステム・そのコンセプトとノウハウ全公開.jpg

​自作4ウェイ・システム,そのコンセプトとノウハウ全公開

1991.6

「リニアフェーズ」は忠実度の高いスピーカ・システムを作るための一つの条件ではあるが、それだけでは“よい音”=“正しい音”が得られる保証とはならないことも…

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スピーカ・システムにおける低域拡大と位相特性改善の実験

1988.7

​スピーカ・システムの設計に当たっていちばん重要視されるのが、低音の再生限界である。よいスピーカ・ユニットを必要な容積のエンクロージャに納めるところから始まるわけだが…

第2部 単発サイン波によるスピーカの測定(別府)

単発サイン波応答の測定と測定データの見方

​リニアフェイズ・システムの音源位置とネットワークの検討

単発サイン波が語る現代スピーカ・システムの問題点

ユニウェーブ・スピーカの設計思想から実測まで〔Ⅰ〕

ユニウェーブ・スピーカの設計思想から実測まで〔Ⅱ〕

ユニウェーブ・スピーカの設計思想から実測まで〔Ⅲ〕

ユニウェーブ・スピーカの設計思想から実測まで〔Ⅳ〕

ユニウェーブ・スピーカの設計思想から実測まで〔Ⅴ〕

シミュレーションによるクロスオーバ・ネットワークの検討

単発サイン波によるホーン・スピーカの測定

単発サイン波によるグラフィック・イコライザの応答

​単発サイン波による内外スピーカ・システム10機種の測定

第2部
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単発サイン波応答測定と

​測定データの見方

1997.2​ ユニウェーブ・スピーカ

単発サイン波応答の改善によって、マルチウエイ・スピーカの嫌な音が取り除かれます。ここでは波形の読み方を説明します

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ユニウェーブ・スピーカの

​設計思想から実測まで 1

1992.1

なぜスピーカからは、“スピーカの音”が聞こえるのか。最大の要因は、スピーカが入力にはないひずみを再生するからです

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ユニウェーブ・スピーカの

​設計思想から実測まで 4

1992.4

周波数特性グラフは,連続的な特性は表せても時間的な推移を表すことはできません。時間とともに変化する信号を…

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単発サイン波による

​ホーン・スピーカの測定

1991.2

ホーン・スピーカは、一般的には最高のスピーカであるとされ、多くのマニアに支持されているようです。ところが…

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リニアフェイズ・システムの

音源位置とネットワークの検討

1991.1

​スピーカの音源位置を移動させることにより、空間再現能力が大きく変化します。その理由が垣間見えてきました

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ユニウェーブ・スピーカの

​設計思想から実測まで 2

1992.2

世の中には帯域分割の数が増えるほど“高級”との迷信がありますが、ユニットは増やせば増やすほどデメリットがあります

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ユニウェーブ・スピーカの

​設計思想から実測まで 5

1992.5

スピーカとは、かなりいい加減な“電気音響変換器”です。システムとして見たときだけではなく、ユニットとして見ても…

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単発サイン波による

​グラフィック・イコライザの応答

1991.7

周波数特性はフラットが良いとされています。心情的には、曲がりくねった特性図よりはまっすぐなほうが、出てくる音も…

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単発サイン波が語る

​現代スピーカ・システムの問題点

1991.4

たとえばバスレフは、特定帯域に共振を作っています。ですから、何を聞いても同じ音になってしまうのです

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ユニウェーブ・スピーカの

​設計思想から実測まで 3

1992.3

振動板が動けば、必ずマグネットは反作用を受けます。その振動エネルギーは、フレームと箱をとおして音をにごらせます

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シミュレーションによる

​クロスオーバ・ネットワークの検討

1996.6

クロスオーバ・ネットワークはどうひずむか

​一目瞭然、出力は入力とは異なっています。過渡的に観測…

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単発サイン波による内外スピーカ・システム 10 機種の測定

1997.3

筆者は、マルチウェイ・スピーカの不自然さが複数のユニットを用いるために生じる“音源位置ひずみ”と、急峻な遮断…

第3部

第3部 ユニウェーブ・スピーカの製作

デッド・マスつき2ウェイ・システムの製作(高橋)

リニア・フェイズ・システムの製作と単発サイン波による応答(別府)

リニア・フェイズ・スピーカ“トリコーンⅡ”の製作(高橋)

”ユニウェーブM”システムの製作〔Ⅰ〕(高橋)

”ユニウェーブM”システムの製作〔Ⅱ〕(高橋)

その後のユニウェーブ・システム(高橋)

”即席ユニウェーブ”スピーカの製作(高橋)

”即席ユニウェーブ”スピーカの単発サイン波応答を観測する(高橋)

新ユニウェーブ・システム「パンドーラ」の誕生(高橋)

新ユニウェーブ・システムの製作(高橋)

ユニウェーブ・システムの製作(別府)

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RG-W1 + RG-T1

デッド・マスつき2ウェイ・システムの製作(高橋)

1989.9

ウーファはRG-W1といい,10 cmのポリプロピレン・コーン,織物のどーむにゴム系のダンプが施されているものである…

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フォステクスS-100 + FT-57D

「ユニウェーブM」システムの製作〔Ⅰ〕(高橋)

1993.8

従来からのスピーカ・システムの考え方は,ハイエンド志向=マルチWAY方式という図式が一般的で,可聴帯域である…

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DENON SC-E212を改造

「即席ユニウェーブ」スピーカの製作

(高橋)

1994.2

ユニウェーブ・システム製作上のネックは、金属加工を要するデッド・マスにあることは重々わかっているので、安く簡単…

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Dynaudio 17W-75 + D28/2

​新ユニウェーブ・システムの製作

​(高橋)

1996.11

スピーカ・ユニットの設計では、高級品ほど強力な磁石を使って立ち上がりのよい音を求める傾向が強いが、ハイファイ…

リニアフェイズSP_9009.jpg

RG-W1 + RG-T1

リニアフェイズSPシステムの製作と単発サイン波による応答(別府)

1990.9

正直に申し上げると,スピーカは諦めていました.ロジャースだけでなく,よそで聴かせてもらった海外製,国内製の…

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フォステクスS-100 + FT-57D

「ユニウェーブM」システムの製作〔Ⅱ〕(高橋)

1993.10

写真1~22が本機の単発サイン波応答である.結果はあ然とするほど見事なものである.その1にワーブル・トーンのf特を…

即席ユニウェーブ観測_9408.jpg

「即席ユニウェーブ」の

単発サイン波応答を観測する

(高橋)

1994.8

わずか1 mmのズレの音の差ウンヌン、6年のキャリアで波形を見ないでも位置合わせができるなどと大見得を切った手前、…

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Dynaudio 20W-75 + T-330D

​ユニウェーブ・システムの製作

​(別府)

1997.3

最後にシステムのクオリティを決めるのは、いえ、最初にクオリティを制するのは、ユニットです。いかにクロスオーバを…

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RG-W1×2 + RG-T1

リニアフェイズ・スピーカ「トリコーンⅡ」の製作(高橋)

1990.9

昨年9月に発表した1号機が予想外に良い結果であったので,もう少し欲張ったシステムを作ってみようと構想を練ってきた…

その後のユニウェーブ_9406.jpg

その後の

ユニウェーブ・システム

(高橋)

1994.6

海賊盤の一つのパターン,客席での小型マイクと小型レコーダによる盗み録りだが,音場感そのものは…

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パンドール100DW/8A + FT-57D

「パンドーラ」の誕生

(高橋)

1994.12

このユニットは今日市販されている小口径ユニットとはよほど変わっていて、魅力できではあるが、危険な要素もいっぱい…

第4部

第4部 ユニウェーブ・システム5種の聴き比べ

 

座談会 ユニウェーブ・システム5種の聴き比べ-録音と再生について

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ユニウェーブ・システムの聴き比べ-録音と再生について考える-

1997.2​ ユニウェーブ・スピーカ

この方式を始めてからもう5年以上になりますが、普通のシステムをすべてこの部屋から追い出してしまったので…

あとがき(別府俊幸)

番外編 ユニウェーブ・スピーカの製作

『ユニウェーブスピーカ』を発刊してからの取り組みをご紹介します。

それからの20年、私は KIT 301と97年3月号のスピーカ・システムで楽しんでいます。

番外編
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PW201 + TW25

​ユニウェーブ・2ウェイの製作

1992.11

スピーカ・ユニットの生産を取りやめたダイヤトーンへのオマージュ。古典的ユニットではあったが、でてくる音は古さを感じさせなかった

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18W8545 + T-330D

​ユニウェーブ kit 301の構成と特性

1997.7

「人の再生する音には2種類ある。他人に聞かせようとする音と、自分で聞くための音だ」「お客にアピールするためには、なにかキラリと輝く音がなければダメだ」

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18W8545 + D2905/9900

​新ユニウェーブ・システムを作る

1997.5

デンマークScan-Speak社のユニットを使った2 wayシステム。真鍮デッド・マスを取り付け、スーパーウーファを超える厚みの低音を再生

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デンマークのスピーカ・メーカー

を訪ねて Scan-speakの巻

1997.12

取材のあと、Scan-Speakのソンダーガード氏と呑んだのだが、私が「翌日Dynaudioに行く」と言うと彼は「そんなところ行くよりLego Landがいいぞ!」と(笑)

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18W8545 + D2905/9300

​ユニウェーブ・システムを作る

1997.6

音はよかったのだが、まったく売れなかったAEDIO KIT 201。ローコストバージョンと考えたが、ここまでくるとT-330Dを使いたくなってしまったか…

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デンマークのスピーカ・メーカー

を訪ねて Dynaudioの巻

1998.1

Dynaudioのソルップ氏は、家庭用スピーカへの熱い思いを語ってくれました。と、同時に、カーオーディオに対する強烈なライバル意識を示していました

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